The 企画エルサーチ株式会社
- 地元企業や生産者の皆様の役に立てるサービスや起業支援もされていらっしゃるようですが、起業と起業支援のきっかけを教えて下さい。
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青森県内の生産者・加工業者・企業、そしてヒトが活躍するための「ファンづくり」をサポートすることを目指して、「もっともっとあおもりファンをつくろう!」をテーマに、女性二人で起業しました。起業のきっかけ、対馬(専務取締役)と出会いは県が実施した「あおもり女性大学」。二人で頑張って、今年で創業11年です。大好きな青森のために、二人ができることを仕事にしました。
当初は食に関することを中心に業務展開しておりました。例えば、青森の女性に県産品を試食してもらい、その結果を商品開発や販路拡大に活かしていただく事業や、調味料やお米を焚く水までも青森から持参した「あおもりの素材を使った料理教室」も数年間東京で開催しました。
こうした仕事の中で、県内の生産者や加工業の多くの女性たちと出会いました。どこに行っても女性たちは笑顔で、しかも地域で大活躍していました。その女性たちに助けていただく場面も多々ありましたし、女性の力で地域が変わる、地域が元気になるということを強く実感したのもこの時期です。テーマ「もっともっとあおもりファンをつくろう!」は起業交流スペース○△□へ繋がるテーマだったことは運命のようにも感じます
- 女性スタッフが多い理由は何かありますか?
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過去には男性スタッフもおりましたが、現在は女性スタッフのみの会社です。
業務の中には、生産者や企業などへの聞き取り調査があり、そのような場面では女性の細やかな視点や感性をもった調査を行ったり、受託しているセミナーでも女性目線で企画運営を行ったり、そこが他社とは異なる弊社の特徴になっているものと思います。
- 事業を継続させるだけでなく、発展させるためには、どんなポイントが必要でしょうか?
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事業を11年間継続できたポイントは3つだったと思っています。一つ目は、共に働いてきたスタッフと同じ思いで仕事ができ、しかも皆さん優秀だったこと。
二つ目は、新しい仕事の依頼や困った時の協力は、対馬と私がこれまでの人生で出会ってきた多くの方々が快くお手伝いして下さったこと。
三つ目は、二人で起業したことで、困難も二人で、喜びも二人で、分かち合えたこと。更に一点付け加えるとすれば、家族が全面的に理解・協力をしてくれたことも重要なことでした。
- 東北地域では珍しい「女性のための起業交流スペース○△□」は、どのような施設なのですか?
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実は、青森県は女性の社長の割合が長年全国一位ですが、自ら起業した女性が多いという実感を持つことはできません。一説には、短命県の青森の男性社長が後継者の育つ前に亡くなることから、妻が経営者になり女性社長が多いなどと言われています。つまり、残念ながら女性への起業環境が十分整い、女性社長が多いということではないものと思われます。
そして、私は自らの起業からその後の数年間を思い返す度、もう少し女性に向けたゆるやかな支援があれば起業を具体化できる女性が増えるのではないかと思ってきました。平成26年春にオーブンした「女性のための交流スペース○△□」は、約半年をかけて企画準備しました。ただ単に、都会の女性限定のシェアオフィスの真似ではなく、青森に住む女性が利用しやすいように、限られた空間をどうしたら良いか、どんなシステムならば利用しやすいのか、スタッフと一緒に工夫しました。もちろん、シェアオフィスとしての各種機能も備えています。スペースでは、異業種の女性たちがシェアする空間で出会い、講座を共に受けることや交流することからネットワークやコラボ事業が生まれ、青森から全国に向けて活躍してくれる女性がもっともっと増えていくことを願い、今後もできる限りのサポートをしていきたいと思っています。そして、行政と民間が両側から様々なサポートしていくことにより、10年以上継続経営できる女性起業家が増えることを願っています。
これから起業しようと動き始めた人に一言メッセージを!女性だからこそ気が付くこと、繋がれることなど、「女性だからこそ」に意味があることがあります。時にはそこに感性を合わせてほしいと思います。特に地方では、女性の感性が求められている仕事はまだまだあると思います。女性起業家のネットワークを作り、地域のため、家族のため、そして自分のため、皆で一緒に笑顔で頑張りましょう。