企業組合 でる ・ そーれ

企業組合   でる ・ そーれ
理事
辻 悦子 さん
理事
辻 悦子 さん

平成19年に企業組合制度が改善され、今注目を集めています。その企業組合を設立した辻さんにお話を伺いました。

仲間と一緒に事業をするときの注意事項は?

その人らしさを活かし合える場を創り、自律的な動きができる関係性を育むことが大事です。相手に依存せず、自分ごととして捉えられるかどうかです。また、「楽しい」「好き」「笑いがある」「喜び合える」も基本ポイント。

コミュニケーション力が高い人同士が集まると、意気投合した勢いで事業を始めることがあります。事業の開始が目的となり、何らかの問題が生じて空中分解してしまうケースがあります。継続していくことや、「思い」と「お金」を一致させるのはとても難しいと実感しています。お互いの思いを知らないと不安や緊張が募り良い仕事もできません。それぞれの夢や希望、組織の将来を語り合う時間を持ち、お互いを尊重し合って方向性を見出すことは自分たちの強みになりますし、良い結果につながります

小さな成功体験の積み重ねは、自信となり、絆の強い仲間同士となるでしょう。そのためには、アサーティブなコミュニュケーションが重要と思っています。

これからコミュニティビジネスをはじめたい方へメッセージをお願いします。

【コミュニティビジネスって?】自分達の住んでいる街の問題や課題に対して、自分達が主体となって地域の資源を活用しながら(ボランティアではなく)ビジネスとして解決をしようとする活動です。

自分たちの地域の魅力をどれだけ強みにできるかが鍵を握っていると思います。地域の人、モノ、金、情報に加えて、信頼のネットワークを組み合わせ、みんなが笑顔になる経済活動をバランスよく作り出すことが重要です。

私たちの地域資源は、廃線の危機的状況にあった「津軽鉄道」でした。商品開発した「ストーブ列車石炭クッキー」はお互いに儲かる仕組です。鉄道ファンや地元住民などから共感を呼び、「地域の宝」の存在を見える化出来ました。

ビジネスで社会とつながることは、思いもよらないことがたくさん起こり、泣いたり、笑ったりの連続です。今では、なによりも仲間に出会ったことを誇りに思い、みんなで仕事を作り、そこで働く喜びを得ています。勇気をもって一歩を踏み出したことで得た体験は、貴重な学びにつながり、人生を豊かにしています。

アイディアをカタチにしましょう。き今住んでいる街は、もっともっと魅力的に見えてきます。

企業組合 でる ・ そーれ

コミュニティカフェでる・そーれは津軽鉄道本社1Fの地域交流施設「サン・じゃらっと」内にあります。地域の特産品を活用した食事と喫茶のスペースがあり、お土産におすすめのオリジナル加工商品、ストーブ列車石炭クッキー、地元の工芸品や食品などが並びます。一押しの食事メニューは、青森シャモロックや長芋・舞茸など県内の食材を活用した「津鉄汁」。ここに来たら、ぜひ食べて欲しい逸品です。
https://www.delsole-aomori.jp/

企業組合って…何?

企業組合とは、主婦や学生、就職している人、既に起業している個人事業主、株式会社等の法人が4名以上集まって、1つの企業体のように活動を行う組合のことです。

組合員それぞれの資本(知識、技術、人脈、資金)を出し合って共に働く(協働と言います)ことで、組織化すれば事業の展開もしやすくなるわ。

設立時に登録免許税が掛からないから、自分達で手続きを行えば0円で設立できるの。因みに株式会社の場合は登録免許税15万です。(その他諸々含めて30万位)

営利目的なので、組合として利益を上げたら組合員で配当できるの。組合員は活動で得た収益を給与として扱えるから、健康保険や雇用保険にも入れるのよ。

一人で始めるには、ちょっと心細かったけど、これなら始められるかも知れないわ。起業している友人もいるし、近所のお店にも声を掛けてみて良いのね?初期費用も少なくて済むようだし、こんな形があるなんて知らなかったわ。辻さんの仰っている「相手に依存せず、自律」を忘れずに、挑戦してみようと思います!!!